野溝釜
野溝釜(のみぞがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、口造りは広口で、胴に樹上の猿が水面に映じる月に手を差し延べている猿猴捕月図を鋳出した釜です。
野溝釜は、野溝某が所持したところからこの名があるといいます。
猿猴捕月(えんこうほげつ)は、猿猴取月、猿猴捉月、猿猴探月などともいい、猿たちが井戸の中の水に映った月影を取ろうとして、猿王が木の枝につかまり、さらに五百匹の猿が次々に手と尾を結んで相い連なって井戸に降りていったところ、結局、樹枝が折れ、猿たちは水中に落ちてしまうという、『摩訶僧祇律』(まかそうぎりつ)にある話です。
『茶道筌蹄』に「野溝 天メウ作、広口、枯木に猿猴の模様、鐶付玉章、唐金蓋、野溝某所所持故名く」とあります
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