禅の心

和敬清寂

スティーブ・ジョブズが傾倒した禅の心

素敵な言葉を聞きましたので少しUPしてみました。

禅、禅宗は日本人には馴染み深い仏教宗派のひとつで、主な宗派に曹洞宗と臨済宗があります。(浄住寺は黄檗宗(おおばくしゅう)
達磨大師が祖といわれ、中国から鎌倉時代に伝えられた宗派です。
日本に伝えられてからは、日本独特のものに変わり、文化全体に大きな影響を与えました。

室町時代に起こった茶道、華道、剣道、香道など「道」がつく文化は禅宗の考えを基にして起こりました。
これらはみな、自分を謙虚にして一つのことに専念し、一事を極めて高い境地に至ることを目指しています。
現代の日本人が大切にしている日本文化の根底には、禅の精神が流れています。
また、室町時代には、日本の各地に優れた寺院建築の禅寺が造られました。
京都には「京都五山」(南禅寺(別格)・天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺)といって、室町幕府が指定した格式の高い禅寺が設けられて、禅僧たちは、室町幕府の施政を支えていました。

禅では、頭で考える雑念は断ち切って、ただひたすら座ることに専念する。
これが座禅で、「何のために座るのか」「座禅を組んで悟りを開こう」などと考えるのはそれ自体が雑念である。
一心に座ることに専念する修行が座禅である。
禅では食事をするのも、トイレにいくのも、掃除をするのもすべてが大事な修行です。
食事をするとき、掃除をするときは、ただひたすらそのことに打ち込みます。
日常生活のすべてが禅の修行なのです。
お茶を飲むこと、花を飾ること、文字を書くことも禅の精神で行えば、茶道、華道、書道などの芸術にまで高めることができるのです。

また、禅では「これはこういうものだ」という先入観にとらわれることなく、一つ一つが一期一会の気持ちで接します。
たとえば、箸を持つときは、必ず両手で持ちあげます。
箸に限らず何かをするときは両手を使って行います。
そうすると、日頃いかに物を大切にしてこなかったかがわかります。
「何のために」などという雑念は排除して、日常生活の一つ一つの動作に全身全霊を傾けて行うことが禅の精神です。
いま、この禅が海外でブームとなっています。
日本に禅の修行に来る外国人も年々増えています。
それは、書道や茶道、能楽や禅寺建築、書院造り、枯山水の作庭など外国人の非常に関心の深い日本文化が、みな禅の精神から成り立っていることに起因するかもしれません。
日本独自の優れた文化や芸術に禅の精神があふれているからです。

世界には、日本の仏教や禅に関心を持つ有名人が多いですが、アップルの創業者で世界的に有名なスティーブ・ジョブズが禅宗に傾倒していたことも知られています。
彼は1976年にコンピュータ会社のアップルを自宅のガレージで立ち上げました。
大成功をおさめてシリコンバレーを代表する大企業となり、25歳の若さで億万長者になり、27歳のときには「タイム」誌の表紙を飾りました。
全世界の若者が憧れる実業界のスーパースターとなりました。
ところが1985年、彼の行動が社会を混乱させたとしてアップルから追放されました。
だが1996年には業績不振に陥っていたアップルに戻り、翌97年にはCEOとなってアップルを再び復活させました。
そしてiPod、iPhone、iPadなど次々にヒットさせ、次代の寵児となりましたが、2011年10月、56歳で病死しました。
この波乱万丈の生涯を送ったジョブズは、アップル設立直後、会社をやめて日本の禅寺に入ることを考え、曹洞宗の僧侶である乙川弘文老師に相談したといいます。
ジョブズは学生時代から東洋思想、とくに禅宗に傾倒していました。
乙川師はカリフォルニア州ロスアルトス市に俳句禅堂を建ててそこの住職となり、禅の指導を行っていましたが、ジョブズは実家が同市にあったことから、この禅寺に通って修行を続け、会社を立ち上げてからも、乙川師に指導を受けていたといいます。
日本の禅寺に入りたいというジョブズに、乙川師は会社を続けることも座禅をすることも同じだということがやがてわかるだろうから、会社を続けたほうがよいとすすめたといいます。
ここで乙川師がジョブズにこういわなかったら、その後のジョブズの成功はなかったかもしれません。
会社にとどまったジョブズは、次々に新製品を世に送りだして大ヒットさせますが、それらの製品のデザインには禅の影響があらわれているといいます。

「死は生命にとって最高の発明」これはジョブズが残した名言です。
禅の根本的な精神である、雑念を排除してただひたすら生きることに専念すること。
他人に対しては、出会いは一期一会と思って、心から思いやりを尽くすこと。
これが日本人の禅の精神、思いやりの精神であります。

(文:本:身につけよう!日本人のおもてなしの心:森谷尅久(かつひさ)著)より

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茶道裏千家 池田宗恵

茶道裏千家 池田宗恵

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